8月コラム ~新型コロナ「ジャパン・パラドックス」~

新型コロナ「ジャパン・パラドックス」    内科・一般 田村彰彦先生

 日本の新型コロナウイルス対策の効果を見た欧米の研究者や政府当局者は、畏敬の念を込めて、「ジャパン・ミラクル」あるいは「ジャパン・パラドックス」と呼んでいるそうです。その理由は、死亡率が圧倒的に低いからです。

どれ程低いのか調べてみると人口100万人あたり、7日間の新規死亡者数は、2020年6月は、欧米(アメリカ・フランス・英国・イタリア)300~500人、日本7人。2020年10月は欧米500~700人、日本14人。2021年2月は欧米1400~1700人、日本50人。2021年は6月欧米1700~2200人、日本90人…。

確かに増加してはいるものの、欧米と比較すると桁違いに低いことがわかります。

日本政府はコロナ対策に関して国内外から厳しい批判を受けてきましたが、少なくともこの数字を見る限り、感染抑制で最も成功している国の1つと見られているのも頷けます。オリンピック後にどうなっているのか心配ですが、これ以上拡大せず、終息に向かってほしいものです。